思い出すんじゃなくて、過ぎったくらいにしておけ

「ちょっと思い出しただけ」

 

エモいとか言う言葉が嫌いだ。

 

 

 

 

自分に酔ってることをいかにも「良い事」のように訴える世の中の風潮も嫌いだし、そのよく分からん抽象的な感情に浸って何が生まれる?馬鹿か?アホか?現実をもっと見ろよ、クソが。

 

ただ、そういう気持ちになることも分からない訳では無い、それは過去が紛れない事実としてこれから先も繋がりを切る事が出来ずに、背負い続けるものだと私は思うからである。

 

その幻想と現実の間にあるもの、リアリティさがありつつ、情けない思いが過ぎってしまう人間の疎かさ、それを表した1つの作品

 

「ちょっと思い出しただけ」

 

あの作品を見て、言語化が上手くできて感想を述べている方と、共感性が得られないから面白くないと述べている方のどちらかが見受けられていると個人的に感じている。

言語化して、言葉が溢れてくる人達の気持ちが私はわかる。個人的に自分は前者の立ち位置にいると思うからである。

人は2番目に愛した人と幸せになる、という言葉があると思う。それは正しい。絶対そう。

1度目に目も当てられないような後悔をするからこそ、次を大切にでき、自分を見つめ、前に進もう、幸せになろう、と決意を固めて勇気を振り絞ることができるからである。

あの作品の各場面は共感性を生み出している。人はなぜあそこまで甘くなって、最後は苦くなるのか訳が分からないが、燃え尽きた残りカスと残り香があるから、人は一段と幸せを噛み締められるのだろうな。

 

 

クリープハイプがいかに夏のぬるい夜を引き立たせる存在なのか、色んな記憶と経験で私に教えさせられた。これは確かに良いと嫌でも言ってしまう。心地は底辺、でもそれが良いと思う、糞な言葉でいうとしたら『エモい』

 

 

ほかの恋愛映画なども見た事のあるが、あの作品はリアリティが他の作品に比べ強く、中にのめり込む「過去を振り返り、あのころは良かった」とか思わせるあの構成には感嘆するしかない。

後味もよく、これから先も何度か見てみたいと思う、あの作品。夏のぬるい夜に見て、浸るのも夏の夜なら許して貰えそうなのでやってみたらいいじゃないんですか?他人事です。

 

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