「3年前」の言葉

きのこ帝国 「国道スロープ」

 

 

3年前のあの日の台詞が傷つける

 

 

もう思い出すことは無いけど、思い返す事はある。

それが全ての始まりで、原点で拭えない記憶の数々、あの時の痛みがあるから今がある。

今を幸せに生きるからこそ、あの痛みを思い返す、二度とあのような瞬間を過ごさないようにする為に、今の自分と昔の自分の2人が共に、

去年言われた「人間らしいところが好きだった」

そんな「追われるよりも、追いたい」なんて贅沢な言葉で私を何かから覚めさせたあなたの顔なんて、もう思い返せなくなってた。

でも記憶なんて曖昧なものは忘れていくくせに、匂いや感情みたいな感覚は覚えてるらしい。

 

身体っていじらしい。

 

別にあいつとの事が全てじゃない、それ以外にも淡さが眩しい出来事なんて沢山あった。

それを重ねる度に、あの雰囲気の甘さに酔いしれていた。

蒼みかかった世界が美しく見えて、何度も全てに重ねて夜を数えた。

 

背伸びした3年前だった。3年前まで偽りのような幸せに沈んでた。甘んじていた、幸せの言葉に甘やかされていた、ただの飼い犬でしかなかった。

 

今の自分はあの時の自分からしたら想像なんて出来ないだろう。今の私は幸せだ。

幸せの形なんて人それぞれ、私は今の生き方、歩んできた道、全てに幸せを感じる。決して良い道を歩んできた訳じゃない。時には酷な事をしてきた童だ。酷な事には酷な事が返ってくる、そんな事ばかり考えに考えた若き日々だけど、幸せだ。

3年前には思いもしなかった、思い描けなかった、何故なら、そのみなとみらいに閉じ込められた狭い世界から取り残されていたからだ。

君は自由だ、その先にある人生が全てを知っている。でも君は知らない。知らなくていい、いつか君は感じる、それが幸せという言葉で表せる事を、決して幸せなんて言葉が似合う世界じゃない、言ってしまえば地獄の方が適切かもしれない。だけど、幸せなんて安易な言葉を使ってしまいたい。そんな世界、そんな場所がみなとみらい。私にとってそんな場所、それがそこ。

 

私はそこに色んな感情を置いてきた。忘れてしまったものもそこにはある。原点なんて在り来りな言葉を使ってもいいかもしれない。藍色の音が傍で鳴り続けた、そこでも。

だからこそ、あの場所で聴く事は私にとって価値がある事なのだ。人とは冬に良く出会った。今も冬、これも新しい出会い。

 

次は何に出会うのだろうか、去年「さよならだけが人生だ」なんて言ってたね、そうだと思う。出逢いがあるから別れがあって、別れがあるから出逢いがある。人がいるからそこに幸せがあって、人と比べてしまうから悲しみがある。

人間とは欲深い生き物。みんなそれを隠してる、隠さなくてもいいのに、みんな人間なんだから。

 

もう一度夜が明けたら、遂に迎えるその日。

 

まだ感じぬ感情に出逢えるのか、もしくは懐かしい感情に再開するのか、それも全て生きていく事でしか成しえない「出逢い」なのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

拝啓、あなたの事が好きだった。

歌にしか重ねない。重ねる事はしないけど、

 

 

 

 

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