ドラマ silentにて何故「彼女の相談」が聞かれていたのか

indigo la End 彼女の相談

ドラマ silent

 

 

 

 

 

「本当はね、思ってるより重かったの」

 


何が重かったの?それは

 


「耳が聞こえなくなること」

 


ということなんだと思う。

 

 

 

流行りのsilentというドラマ、私も毎週視聴しているが、作中に出てくる想と紬、この2人が学生時代、聞いていたというプレイリストがタワーレコードから発信された。元々、indigo la Endの「夜に魔法をかけられて」というファーストフルアルバムがかつて耳が聞こえていた想が聞いていた、という設定が公式のものであることは周知されていたが、その中の楽曲、「彼女の相談」がプレイリストの中にピックアップされていた。

この曲は、ファンの中でも知る人ぞ知る名曲として知られており、なかなかライブでもやらない言わば、隠れた名曲という括りにされている。

そんなこの曲がピックアップされた、なにか意図があるのではないか、そんな思いを抱き、1人のindigoファンとして、個人的に抱いた解釈をタラタラと並べていきたい。

 

 

 

 

 

 

 


前提として、個人的にこの曲に対して抱いていた解釈があるが、それを1度離し、このドラマ「silent」を通して解釈を進めていきたい。

 


治らなそうだよ
治らなそうだよ
本当はね、思ってるより重かったの
終わらせないでよ
終わらせないでよ
まだあるの
あなたに相談したいことが

 


サビの歌詞だが、ここに想の病気を当てはめるとピンとくるのではないだろうか、紬に対して「想い」があるのにも関わらず、別れを告げる想、その背景はこのサビの言葉、そのままだったのではないだろうか。

特別でないたわいのない話でも、好きだった彼女、紬の声を聞くことがどんどん離れていってしまう、終わらせたくない、終わらせたくないと思いを言葉にして紡がせようてしても、ただ送られていくだけの想い、

 


ここの歌詞にも注目してみたい。

 


それで何だっけ?
昨日の夜の話
全然覚えてないや
「電話が鳴って君からだってわかったら
急に変な気分になったんだ。」

 

 

電話、そう、ドラマを見ていた人なら分かるかもしれない。電話というものが健常者と、耳が聞こえない人の間で違うものであること、触れる方法すら違うこと、

その背景を通じた時に、この歌詞は残酷さを帯びている。

急な変な気分は、健常者として触れていた電話というものが、耳が聞こえない人としての触れ合いにズレていく、そのズレが変な気分にさせれていた、そう解釈することも出来ると思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


なんだか急に君のピアノが恋しくなった
ああ、またか
誰か代わりに聴いてよ
あの贈り空と一緒に忘れて


ピアノ

ピアノは音を生み出すもの、それが恋しくなってしまう、なぜならもう聞く術もないから。

またか、またか、またかと繰り返し、言葉にできない、伝えることが出来ない想いを紡ぎだす。

あの日、見送った言葉と共に、自分の成せないことを誰かに願って、

 

 

あなたなら何回目で気付いた?
12月の朝、風が強くて
晴れ後雨時々雪の模様
慌てふためいた白髭の人
願わくばあの日の空をちょうだい

「わかったよ」

 

 

 

そして、今夜最終回を迎える訳だが、どんな結末だろうと私は構わない。

ただ、言葉を紡ぐと表する主人公が好きだし、言葉の残酷さと儚さと、そして美しさ。

それをこうやって表すあのドラマが私は好きだ。

 


それを私が言葉と音楽の美しさに魅了されているindigo la Endという音楽を通じて再度、考えさせてくれたこと、この機会は何よりも変え難い「想い」だと思う

 

 

 

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