26時30分

indigo la End 楽園

 

正直、過去曲の自己解釈はあまりしたくない。

理由は、単純。昔になるほどに彼の心情が深く染み付いていると思うからだ。彼がいくら「世に放ったら曲は皆のものになる」と言ったとしても、私は彼の心情を汲み取ろうとしてしまう。でも、今日は「楽園」について触れてみたくなってしまった。だから言葉に残してみる。

 


「別れは突然だ」それは予兆もなく目の前に現れ、リアルとなってしまう。でも予兆は確かにあった。それは気づかなかっただけ、何度も「いいでしょ?」と繰り返していたじゃないかと。何が楽園で、どこが楽園なんて定義はない。そこが楽園と名付けてしまえば、どんな場所でも楽園となる。どんな「結末」でもだ。

何気ない姿を見せられてしまう程に関係は許す関係、それは理想系で幻想で、でも紛れもないしてきた事だった。

終わりは止められない、それが「楽園」なんて場所に行き着く為なら、それを止める事なんて誰にも出来ない。やめてくれと泣き叫んでも、それはただの情けない怒号。居なくなるなんて聞いてなくても、そんな気はしていた。ただ目を背けていただけだった。

あやふやにユラユラと漂う幻に、いつか姿を見た誰かさんを重ねて、見ようとしたら消えて、また現れて、霧のように掴めそうで、掴めなくて、続けて、続いて、、そんな僕はその場で立ち止まった静止画のようだった。そして誰かさんは、あなたは言った「楽園にいるよ?」

終わりがあるから始まりがあるなんて、在り来りな言葉だけど、その通りである。だからこそ、「楽園」に旅立たなければならない。いつまでもそこにはいられない。期間限定、いつまでもそこに縋る事はできない。

 


26時30分 2時半 夜と朝の曖昧な「間」にその機会は訪れた。大きな声を境に怒号は止まった。幻想的な景色はどこか夢心地で、心地悪かった。君はまた言った「まだそこなの?」分かってる、分かってる、分かってるんだ。だけど、本当にこれしか、ないんだ。

あなたとはここで最終回。だけど最後だから意地を張らせてくれよ。最後にあなたに縋れるだけ縋らせて欲しい。いいでしょ、いいでしょ?良くないけどいいでしょ?ねぇ、答えてよ。

お決まりのようなキスでも許してよ、最後くらいさ!僕らしくないのかな、でも僕らしいでしょ?今まで何度もしてきたじゃないか、だから簡単な事だろ、許してくれよ。ありがとう、今まで、今日まで許してくれてほんとうにありがとう。これで、今で、やっと、

 

 

 


「楽園」に辿り着けたよ。

 

 

 

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